【2020年度版】3Dモデリング、レンダリングにおすすめの自作PC構成4選

最終更新日: 2020年08月14日 1953 views
2020/8/14に構成を更新しました。

この記事では3D制作向けの自作PCの構成を7万~20万円の予算別で4種類ご紹介いたします。

3D CADでモデリング、レンダリングするためのワークステーション/PCの構成を考えるときに何を気をつけていますか?
絶対に考慮してほしいことは、モデリングとレンダリングでは大きく異なる性能が求められるという点です。

最近はGPUを利用できるGPUレンダラーが増えてきていますが、有料であるものも多いため、後で解説するソフトウェアとの相性もしっかり確認する必要があります。
これから3D CADを頑張って使いこなしていきたいという方であれば、一層この記事を読んでいただきたいです。

CPUとGPUの選び方

3D CADソフトウェア用マシンのCPUとGPUは互いに関係しているので、この2つの選び方からまずは解説します。

CPUレンダリング

CPUレンダリングでは、GPUを使わずに、CPUのみをフルに使って画像フレームを生成していきます。
レンダリングを開始してから、終了するまで1秒も休むことなくCPUはほぼ100%の状態で走り続けます。

この際、レンダリングエンジンは使用可能なCPUのコアをすべて使ってタスクを分割します。
各コアがそれぞれ1フレームの中の左上から右下までの別の部分をレンダリングします。

つまり、コア数が多いほど小分けに分割して並行処理できるので、処理時間が速くなります。
クロック周波数の多少の違いよりもコア数が多いほうがレンダリングのスピードは圧倒的に改善されます

モデリング

レンダリングの処理とは異なり、モデリングは、ユーザーが何らかの操作をするたびに、計算が走ります
ユーザーが、コンピューターの画面の前で座りながら、3Dソフトウェアを使っている間、インタラクティブに計算処理が行われるのです。

インタラクティブ性とは、あなたがマウスを動かしてオブジェクトを変形させたり、回転しているときに、瞬時に画面も操作どおりに動いてくれることです。
この一瞬で行われる作業が散発的に実行されるのがモデリングです。

作業中にソフトウェアが止まったり、マウスを動かしてから画面に反映されるまでに時間がかかってしまうのは、この散発的な作業の実行に時間がかかってしまっているからです。
ここでポイントとなるのは、この処理はCPU上のたった1つのコア上で計算されている場合がほとんどであるということです。

なぜかというと、モデリングの際の処理は「Aを処理して、その結果をもとにBを処理して、その結果をもとにCを処理して...」という順番に行う層構造になっており、いきなりAとBとCの処理を別々のコアに依頼することはできないからです。
つまり、CPUのコア数が多くなっても処理の滑らかさという、モデリング時の処理の速さは基本的に変わりません
3DCADでオブジェクトを作り込むところの性能を上げるためには、できるだけクロック周波数の高いCPU、シングルコア上での性能が高いCPUを使用することが大切です。

CPUのクロック周波数とコア数のトレードオフ

レンダリングとモデリング両方にとっての性能を上げるには、クロック周波数が高くてコア数の多いCPUを選べば良いわけですが、残念ながら一般的にクロック周波数を上げるとコア数は少なくなり、コア数を上げるとクロック周波数を下げざるを得ません。

多コアはそれだけ多くの電力を消費します。CPUが正常に動作するためには一定の温度以下である必要があります。
同様に高クロック周波数は多くの電力を消費してしまいます。
熱というボトルネックを少しでも乗り越えるため開発された技術が、ターボブーストです。

ターボブースト

多コアCPUで、クロック周波数を上げられないのが、熱のせいだとすれば、使用しているコアが少ない場合は、オーバーヒートのリスクがないので、クロック周波数を上げることができるということで、開発されました。

実際の仕組みとしては、使用しているコアが少ない場合、使用していないコアへの電力供給をスイッチで止めてしまい、代わりに動作しているコアの周波数を上げます
これをクロックアップと呼びます。

このクロックアップはオーバークロックとは異なります。
オーバークロックは、BIOSの設定を変えてマザーボードからCPUへ流す電気の周波数を上げるもので、CPUを壊してしまうリスクがあります。
ターボブーストは安全な範囲で自動で行われます。

モデリングの最中は少ないコアのみを使用し、ターボブーストでクロック周波数を上げ、レンダリングの際はすべてのコアを使用することができるターボブーストは3DCADに最適な技術です。

CPUレンダリングとGPUレンダリング

画像や動画のレンダリングは、CPUレンダリングとGPUレンダリングに分けられます。
当たり前ですが、CPUレンダリングではCPUを用いて、GPUレンダリングではグラフィックカード(GPU)を用いて各フレームを生成します。
ほとんどのソフトウェアはNVIDIAのグラフィックカードのみに対応しているため、MacなどのAMDのグラフィックカードではGPUレンダリングができません。

今後GPUレンダリングが主流になっていくと考えられますが、まだほとんどのソフトウェアはCPUレンダリングのみが無料で使えます。
Octane、Redshift、V-RAY RT、Arnold、FurryBallといった有料のGPUレンダラーは、CPUレンダリングより圧倒的に速くレンダリング可能であるため、圧倒的にスムーズなプレビューが可能になります。
Mental RayでのCPUレンダリングで10分かかっていた処理がGPUレンダリングでは10秒以下に抑えられます。

無料のGPUレンダラー

今までは、初心者はCPUレンダラーでソフトウェアに慣れてから、高額なGPUレンダラーを購入して使用するようになるのが普通でした。
しかしGPUレンダラーの価格が近年低下しており、無料のGPUレンダラーが3ds max、MayaやBlenderやCinema 4Dに標準装備されてきています。
3ds Max, MayaではArnoldが使用でき、BlenderではCycles Rendererが使用でき、R19からCinema 4DではProRenderが使用できます。

Radeon ProRender

実はProRenderはGPU市場においてNVIDIAと双璧をなすAMDが開発し無償で提供しており、AMDのGPU, CPUだけでなくIntelやNVIDIAのCPU, GPUにも対応しています。
もちろんWindows, Linux, Macのどのプラットフォーム上でも動作します。
ProRenderはMayaや3ds Max, Blender, SOLIDWORKS, Unreal Engine 4などでも動作します。
ProRenderはGPUを単に使うだけでなく、CPUとGPUのバランスを見ながら、タスクにより良い配分で両方を使用します。

おすすめのCPU

今後GPUレンダラーが主流になることを踏まえると、CPUはターボブースト時のクロック周波数が高めでシングルコアの性能が高いCPUを選ぶ方が良いと考えられます。

Intelであれば、i9 9900KS、 i7 9700K、AMDであれば、Ryzen 5 3600X(XT)、Ryzen 7 3800X(XT)、Ryzen 9 3900X(XT)、Ryzen 9 3950Xなどが良いでしょう。
RyzenのXTシリーズは最大クロック周波数が上がっており、コストパフォーマンスに優れています。
予算が十分にある場合は、Threadripper 2990WXや2950X、64コア128スレッドの3990xなどもおすすめです。

おすすめのGPU

GPUレンダラーを用いる場合、注意すべきことはソフトウェアがAMDのGPUに対応しているか否かです。
OctaneとRedshiftはNVIDIAのGPUのみにしか対応していません。
2020年現在ではNVIDIAのGPUを用いるほうがコストパフォーマンスおよび安定性から見ておすすめです。
  • NVIDIA RTX 2080 Ti
  • NVIDIA RTX 2080
  • NVIDIA RTX 2080 super
  • NVIDIA RTX 2070
  • NVIDIA RTX 2070 super
  • NVIDIA RTX 2060
  • NVIDIA GTX 1080 Ti
  • NVIDIA GTX 1080
  • NVIDIA GTX 1070 Ti
  • NVIDIA GTX 1070
  • NVIDIA GTX 1060
が性能の高い順になります。

現在コスパが最も高いのはRTX 2070だと思います。
そろそろ発売されると噂されている3080Tiも注目です。

QuadroとGeForceの違い

3DCAD向けにはNVIDIAのQuadroが用いられることが多いですが、ベンチマークをみてみるとGeForceのほうが圧倒的にコストパフォーマンスが良いことが分かります。
それはQuadroが業務用に販売されており、生産数も少ない一方でGeForceはユーザー数の多いゲーム用に作られており、価格を抑えられるからです。

QuadroとGeForceの違いとしてよく挙げられるのが、Quadroのほうが色調の表現がより細かくできるという点です。
QuadroがRGBの各色を10bit = 約10億階調で表現できる一方でGeForceはRGBの各色を8bit = 約1677万色で表現しているというものですが、実はそれは間違いです。

最近のGeForceのドライバーでは出力の色の深度を10bit per color(bpc)に変更可能です。
また、ほとんどのディスプレイは10億の色深度を表現できず、1677万までの場合が多いです。

では、何が違うかと言うと、倍精度浮動小数点の演算用の回路がQuadroの方が多いという点です。
一方のGeForceは単精度浮動小数点演算の能力を最大限に高めています。

建築や精密機械のシミュレーションなどの精度が求められる用途には倍精度浮動小数点演算を頻繁に行うため、Quadroがおすすめです。

一方で精度を求められない3Dモデリングを行う場合Quadroの良さを活かすことはできません。
この記事を読む読者の中で精度が求められる方は非常に少ないと思いますので、この記事ではGeForceをおすすめしています。

ただし、GeForceシリーズの最大GPUメモリ容量は2080 Tiの11GBですので、それ以上のVRAMが必要な場合はGeForceシリーズの複数枚利用かQuadro RTX 8000の48GBやTITAN RTXの24GBなどを使用する必要があります。
3080Tiのグラフィックメモリは増えると噂されているので、楽しみですね。

メモリの容量とクロック周波数

メモリ容量

メモリ容量が大きいほどよいのは当たり前ですが、実際どれくらいのメモリを用意しておけば良いのか参考の数値だけ載せておきます。
個人での遊び程度:16GB以上
個人での副業程度:32GB以上
専業レベル:64GB以上
最低でも16GBはほしいです。
32GB以上をおすすめします。

メモリのクロック周波数

ここで注意していただきたことは、マザーボードとCPU, GPU側の制限です。
マザーボードには最大に載せられるメモリ容量が決められており、また4枚させる場合も3枚目以降から速度が落ちてしまうものが多くあります。

クロック周波数はデータの転送の速度を表します。
DDR4 2133だと2133Mhzで動作しており、1秒間に17GBのデータが転送可能で、
DDR4 2400だと2400Mhzで動作しており、1秒間に19.2GBのデータが転送可能で、
DDR4 2666だと2666Mhzで動作しており、1秒間に21.3GBのデータが転送可能で、
DDR4 3200だと3200Mhzで動作しており、1秒間に25.6GBのデータが転送可能だということです。
(実際は3200Mhzは1600Mhz x 2です)

マザーボードによっては2枚までなら3200Mhzのクロック周波数に対応しているが3枚目以降は2933Mhzに落ちてしまうものもあります。

メモリ側の性能が高くてもCPUやGPU側にそれに見合うだけの性能がなければ、最大の速度でメモリを使用することはできません。
CPUやGPUには最大メモリー動作周波数と最大メモリーチャネル数が存在しています。
CPUがクアッドチャネルの場合は4つのチャネルが存在しており、デュアルチャネルの場合は2つしかチャネルがないことを意味しています。

ただし、チャネル数による実際の演算の速度差が大きく生まれるのは暗号処理などの同時に大きなデータに対して計算する必要があるもので、3D CADの操作時には大きな違いは生まれないでしょう。

注意点として、新しくPCを組む場合はメモリを2枚入りや4枚入りのもので購入したほうが安全という点があります。
別々で購入したメモリでも動くことが大半ですが、まれに動作しなくなってしまいます。
セットで販売されているものは、動作がチェックされているので、増設ではなく新しく組む場合はセットで販売されているものを購入したほうが良いでしょう。

ストレージ

 

ストレージは起動ファイルや頻繁に使用するファイル、動画編集のキャシュをSSDに保存し、たまにしか使わないorできた成果物をHDDに保存するのが良いでしょう。
どれくらいの容量が必要かは人それぞれ異なると思いますが、最近では6TBのHDDも1万円を切ったりと安くなっているので、コストを抑えることができるでしょう。
SSDには書き込み上限回数などありますが、SSDの価格は今後落ちていくので自作PCの強みである、どんどん増築できることを活かして、耐久性を犠牲にして安くて大容量なSSDをおすすめします。

予算別! おすすめのパーツリスト


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