【2020年度版】DaVinci Resolve向け自作PCのパーツ選びとおすすめの構成5選

最終更新日: 2020年08月14日 4395 views
2020/8/14に構成を更新しました。

DaVinci Resolveはあらゆる動画編集ソフトの中で最もGPUのパワーを最大限引き出せるソフトです。別格です。

動画編集ソフトウェアはPremier Pro、Final Cut Proなどがありますが、この記事ではDaVinci Resolveを使用している/したい方向けのPCの構成について解説します。
PCのスペックなんてPremierでもDaVInciでも一緒ではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はDaVinciのほうがGPUを効率的に使えるなどのハードウェアの使い方が異なるため、最適な構成は変わります。
月額課金であるPremier Proに対してDaVinci Resolveは一回3.6万円程度課金すれば将来のアップデートもすべて受けられるので、1年半以上続けるのであれば、DaVinci Resolve Studioのほうが安くなります。

Blackmagic Designが提供しているDaVinci Resolveは無料版のDaVinci Resolveと有償版のDaVinci Resolve Studioがありますが、無料版は4Kが使えなかったり、一部のfxが使えないなどの制限はありますが、十分に高いレベルで使えます。
DaVinci ResolveはPremier ProとAfter Effectsを合体させたようなもので、VFXも使えます。
(FusionというAfterEffectsのようなVFXソフトウェアがDaVinci Resolve内で使えます)
DaVinci Resolveはカラーグレーディング用のソフトウェアとして開発が開始されているので、カラーグレーディングを高いレベルで行うのであれば、最も優れているソフトウェアといえます。

Blackmagic DesignがDaVinci Resolveの推奨しているPCスペックはAdobeがPremier Proに推奨しているスペックより高く、Premier Pro以上にPCの構成には気を使いたいです。

動画編集(主にPremier Pro)におすすめの自作PC
After Effectsにおすすめの自作PC
の記事もぜひご参照ください。



DaVinci Resolve用PCのパーツの選び方

最初に述べた通りDaVinci Resolveは基本的にGPUを最大限に使おうとします。
そのため、最もお金をかけるべきポイントはGPUです。




DaVinci Resolve向けのGPU

 

DaVinci Resolveでは扱う動画の解像度によって必要なGPU、とくにGPUのグラフィックメモリ(VRAM)容量が変わります。
  • 1080p : 4GB
  • 4K    : 8GB
  • 6K, 8K: 20GB以上(Fusionを使わないのであれば11GBでも動く)
となっています。複数枚のGPUを使用してもそれぞれのGPUのVRAMの中身は同じで、物理的に離れたGPUどおしでデータを共有できないので、6K以上を扱う場合は、基本的にTitan RTXもしくはQuadroを使う必要があります。

まずはアメリカの企業向けワークステーションを販売しているPugetSystemsのベンチマークを参考に、DaVinci Resolve Studio 16での各GPUの性能をみてみます。
GPU以外は、
  • CPU: i9 9980 XE
  • RAM: 128GB
  • SSD: 1TB
  • OS: Windows 10 Pro
で固定して評価しています。




4K動画編集環境での各GPUの総合性能

 

これから紹介する6つの処理の速度を用いて平均処理速度を比較したものが上の画像になります。
それでは順番に具体的な処理の速度を比較していきます。




プロキシ作成速度
 

いわゆるプロキシの作成は、DaVinci Resolveでは最適化メディアという設定で行えますが、このプロキシ作成にかかる時間を比較した結果が上の画像のとおりです。
2080 TiがTitan RTXより速いという結果が意外ですね。




カラーグレーディング速度
 

次にカラーグレーディング性能では、カラーウィールを操作し、4つのパワーウィンドウ(ガベージマスク:エリアを指定してそこだけでカラーの調整を行う)を行った際の速度比較になります。
グレーディングでは、NVIDIA製が強いようです。




OpenFX(エフェクト)速度
 

OpenFX性能比較では、レンズフレアをかけ、チルトシフトブラーをかけ、シャープをかけるというエフェクトをかけた際の処理速度を比較しています。
4K ProRes 422のフォーマットを利用して、Radeon RX 5700 XTは1秒間に11.1フレーム処理できる一方Titan RTXは1秒間に20.35フレーム処理できるため、およそ半分の時間で処理が終わります。(ちなみにRadeon Ⅶ 16GBなら19.53fpsです)




ノイズリダクション速度
 
まずは、普通に2フレーム間の時間的ノイズリダクション速度は上の画像の通りです。
次にスプリッターで3色のチャネルにわけてから、ノイズリダクションを各チャネルにかけて、コンバイナーでもう一度構築するという3ノードを使った場合の速度が次の画像の通りです。
 


このような複雑なノイズリダクションで、グラボの違いが速度に如実にあらわれてきます。
4K ProRes 422のフォーマットを利用して、この3ノードを使ったノイズリダクションを行った場合、Radeon RX 5700 XTは1秒間に4.75フレーム処理できる一方Radeon Ⅶ 16GBは1秒間に8.59フレーム処理できるため、およそ半分の時間で処理が終わります。(ちなみにTitan RTXなら8.2fpsです)




Fusionでの速度
 

Davinci Resolve Studio内で使えるFusionで3Dのテキスト、スマホ画面への動画埋め込み、パーティクルの3つのエフェクトを使用した場合の速度比較になります。
Fusionはもともと別ソフトウェアであった上、仕組みとしてもResolve本体とは違うためか、AMDのグラボはいまいちで、GeForceシリーズはすべてほぼ同じく最高性能を出しています。
とはいえ、Radeon RX 5700 XTの最低性能とGeForceの最高性能の違いは8.35fpsと13.91fpsであり、66%の違い程度で、ノイズリダクション速度の違いなどと比べると差は小さめです。




複数枚のGPUを使った際の性能向上について

最初に述べたように複数枚のGPUを使っても、VRAMはその合計にはならず1つのGPUのVRAM容量しか扱えません。
(Davinci ResolveはNVLinkに対応していません。SLIを使うと1つのGPUしか利用できなくなります。
しかし複数枚扱うことで、互いに協力しながら別々の処理を行えるので、性能は向上します。
具体的には同じGPUを順に追加していく場合
1枚から2枚に増やすと最大75%の向上
2枚から3枚に増やすと最大50%の向上
がみられます。
しかしコストパフォーマンスを考えるとできるだけ1枚のGPUで高性能なものを利用したほうがよいでしょう。
特にFusionの利用時は、1枚のGPUしか利用できません。




DaVinci ResolveにおけるCPUの性能

 

GPUが最も大切だと何度も述べてきましたが、CPUも重要な要素であることに変わりはありません。
かつてはXeonを2つ使ったデュアルXeonのワークステーションが最高の性能を出せましたが、CPUの進化とソフトウェアの進化により、現在ではi9シリーズがデュアルXeonと同等レベルの性能を出せてしまうこともあります。

2つの点に注意して選ぶと良いかと思います。
  1. 何枚のGPUを使うのか
  2. Fusionをどれくらい多用するのか

GPUの枚数とCPU性能

1枚しかGPUを使わない場合、Fusion以外の機能はミドルクラスのCPUで十分です。
一方で複数枚のGPUを使用する場合は、CPUがボトルネックとなりえます。
6K/8KなどでTitanやQuadroを複数枚のGPUを用いる場合は第3世代Threadripperシリーズなどを候補にすると良いかと思います。

FusionとCPU性能の関係

FusionはAdobeのAfter Effectsと似ており、ハードウェアの利用に関してもシングルスレッド性能に大きく影響を受けます。
つまり、クロック周波数が高くシングルスレッド性能が高いものほど高速で動作します。
i7 9700K, i9 9900KやRyzen 9 3900X、3800XなどがFusionとの相性が良いです。

DaVinci ResolveにおけるCPUのベンチマーク

それでは実際のベンチマークを見てみましょう。
CPU以外は固定しています。
GPU: RTX 2080 Ti 11GB
RAM: 64GB
OS: Windows 10 Pro
の環境で行っています。
それぞれのグラフにおける原点のスコアに注意してください。
総合性能、プロキシ作成、カラーグレーディング、Fusion性能の4つでは原点は0ですが、他のものは差があまりなかったため、原点が0ではありません。




4K動画編集での各CPUの総合性能
 

第3世代Threadripperがいずれも優秀な性能を出しています。
その次に第3世代Ryzenが来ると思いきや、第10世代のi9が以外にも高性能を出しています。




プロキシ作成速度
 

総合性能とほぼ同じ順番ですね。
おおよそ高いCPUほど高い性能を見せています。




カラーグレーディング速度
 

グレーディング性能でもほぼ同じです。
コスパで見ると3900Xが非常に良さげです。




OpenFX速度
 

エフェクトになると3800Xが少ないコア数でも高性能を見せるようになります。
原点が98であることに注意してください。9700Kと3970Xの違いは10%程度しかありません。




時間的ノイズリダクション速度
 

まずは1ノードでのNR性能です。
原点は96ですので、9900Kと3970Xの違いは10%ちょっとしかありません。

次にスプリッター->NR->コンバイナーで3つのカラーチャネルでNRを起こった際の性能です。
 

NRでは第3世代Ryzenが高性能となり、Intel勢はいまいちのようです。
原点は91です。9700Kと3970Xの違いは10%以下です。




Fusion速度
 

Fusionはシングルスレッド性能が大切といいましたが、単にPassMarkのシングルスレッド性能と同じ順番というわけではなさそうです。
3800Xや9700Kが良い性能を出しています。




Davinci ResolveにおけるCPU性能の比較まとめ
まとめるとCPUの差が大きく性能にみられるのは、プロキシ作成速度とカラーグレーディング速度のようです。
その他では大きな差はあまり出ませんでした。
GPU比較ではこれらの"プロキシ作成"と"カラーグレーディング"では比較的差が生まれにくかった比較でした。
プロキシ作成カラーグレーディングCPU性能に比較的依存していると考えられます。

DaVinci Resolveに必要なメモリ容量は?

 

DaVinci Resolveは比較的省メモリなソフトウェアです。
  • 4K:32GB以上
  • 6K:64GB以上
  • 8K:64GB以上
というイメージです。
もちろんFusionを多用し、メモリキャッシュを大量に使う場合はさらに多くのメモリが必要になります。




DaVinci Resolveに必要なストレージはNVMeか2.5インチSSDかHDDか

 

NVMe接続のSSD > 2.5インチSSD > HDD
というのが読み書きの速度の順番であることは多くの方が分かるかと思います。
M.2スロットを使用するNVMe接続は最大4000MB/sであり、2.5インチSSDの最大600MB/sの7倍近い最大速度が可能ですが、DaVininci Resolveでの読み書きの速度を考えてみてください。

4Kで30fpsであればフレームレートは70Mbps = 9MB/s程度です。
もちろん長時間の動画を一気に保存する場合は最大書き込み速度に達しますが、普通の作業を行っている間の読み書き速度で600MB/sに達することは4K以下であればあまりないでしょう。

そのため2.5インチSSDとNVMe接続の速度差を常に感じるというわけではないでしょう。
RAWファイルを使う場合や6K以上の場合はNVMe接続のほうが良いと思います。

理想的なストレージ構成としては
  1. OSやDaVinci Resolveのソフトを保存しておくメインドライブは起動速度に影響を与えるので最速のNVMe接続のSSD
  2. 動画編集時に素材とキャッシュを保存するNVMe接続 SSD or 2.5インチSSD(キャッシュ用をわけてもOK)
  3. 完成した動画ファイルやしばらく使わない素材を保存しておく大容量HDD
この3ストレージ構成がおすすめです。




予算別! おすすめのパーツリスト


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