【究極ガイド】ストレージ(SSD/HDD)の選び方

最終更新日: 2020年03月09日 1454 views
SSDのほうがHDDより速いから、システムドライブ(OSなど)にはSSDを使って、長期保存用のデータはHDDで保存する。
この基本はほとんどの方が理解していると思います。
この記事では、さらにSSDの中でも接続方式やqlc, tlcといった違いを解説し、HDDの中でも回転数などによる速度の違いについて解説します。

ストレージの選び方のポイント

SSDとHDDの特徴を比較しながら説明したのちに、SSDの選び方とHDDの選び方を分けて書いています。

SSDとHDDの違い

SSDは
  • 壊れにくい
  • 読み書きが速い(ランダムアクセスなら数百倍速い)
  • 静か
  • 小さい、軽い
  • 消費電力が低い
というメリットがあります。

HDDは
  • 安い
  • 10TBなどの超大容量もある。
  • 長期保存に向いている(自然消失しにくい)
というメリットがあります。

HDDの故障率は年間0.5~4%程度です。
過去に比べて故障率は少しずつ下がっては来ています。

SSDは書き込み上限があり、故障率は、どれくらいの頻度で読み書きを行ったかにもよりますが、5年で数%の故障率程度です。
HDDより故障率が数倍以上低いのは間違いないでしょう。
SSDの弱点としては、10年以上ほったらかしにしておくとデータの一部が自然放電により消えてしまう可能性がある点です。


SSDの選び方


SSDと一言でいっても、様々な種類があり、転送速度が遅いものと速いものの違いは6倍以上にもなります。

略語がたくさん出てきますが、できる限り分かりやすくまとめているので、ぜひ読み切って理解できるようになってください。

SSDとUSBメモリなどのフラッシュメモリの違い

たまにSSDもUSBメモリは仕組みは異なると思っていらっしゃる方がいますが、同じ仕組みになっています。
SSDもUSBメモリもSDカードもどれも、同じNAND型のフラッシュメモリです。
近年市販されているものでは、いずれも後に解説するTLCかQLCのものです。

SSDの形状や接続方式(NVMe, SATA)の違い

M.2、mSATA、PCIe、SATA、NVMe、AHCIなど様々な言葉が出てきますが、整理しておきましょう。

【形状】 M.2と2.5インチとmSATA
これらは形状、サイズを示しています。
M.2は転送速度が速いものが多く、近年のSSDはこのタイプが一番多くなっています。
2.5インチタイプはHDDと同じような形状をしています。接続方式もHDDと同じになります。
mSATAはM.2の前にあった形状ですが、近年ではほとんど見られません。

2.5インチのSSDは必ずSATA接続になりますので、転送速度は500MB/s程度となります。
一方のM.2はほとんどの場合PCIe接続ですが、一部SATA接続で転送速度が2.5インチのものと変わらないものもあります

【接続方式】PCIe、SATA
PCIeとSATAのどちらも、マザーボードと何らかのパーツ(HDDなど)との間でのインタフェース規格(電線のつなぎ方のルール)です。

PCIeの特徴

PCIeはPCI Expressの略で、PCIはPeripheral(周辺の) Component(パーツ) Interconnect(接続)の略です。
必ずしもSSDとの接続専用というわけではありません。
むしろグラフィックカードやサウンドカードといった周辺パーツとの接続に使われています。

PCI Expressではレーンという概念を理解する必要があります。
イメージとしてはUSBポートがわかりやすいかもしれません。
1つの外付けハードディスクと1つのパソコンを1つのUSBポートで接続するのが、1レーン。
1つの外付けハードディスクと1つのパソコンを2つのUSBポートで接続するのが、2レーン。
1つの外付けハードディスクと1つのパソコンを16のUSBポートで接続するのが、16レーン。
本来であれば、2つのUSBポートを1つの外付けハードディスクに同時に接続することはできませんが、それができるようにうまく作られているのがPCI Expressです。
複数のレーンを1つのパーツに使って接続して、あたかも互いのレーンが連携しながら、無駄がないようにデータのやり取りをすることができます。

PCIeにはバージョンがあり、各バージョンの1レーンの速度は
  • PCI Express 1.1 : 片方向2.5Gbps
  • PCI Express 2.0 : 片方向5.0Gbps
  • PCI Express 3.0 : 片方向8.0Gbps  ここまで市販されている
  • PCI Express 4.0 : 片方向16.0Gbps(本当はGT/sなのでちょっと遅い)
  • PCI Express 5.0 : 片方向32.0Gbps(本当はGT/sなのでちょっと遅い)
  • PCI Express 6.0 : 片方向64.0Gbps(本当はGT/sなのでちょっと遅い)
となっています。

市販されているのは片方向8.0GbpsのPCIe 3.0までです。
これを16レーン束ねると128Gbps = 約16GB/sまでの転送速度が可能となります。
SSDでは4レーンまで束ねているので、約4GB/sまでの転送速度が可能となっており、これは後述するSATA接続の6倍程度です。

SATAの特徴

SATAはSerial ATAの意味で、ATAはAT attachmentの略です。
ATは1984年に発売されたIBM Personal Computer AT(PC/AT)という大昔のパソコンの名前です。
そのATはAdvanced Technologyの略で、当時はさぞかし先進的な技術だったのだと思われます。
  • SATA1.0 : 1.5Gb/s (= 187MB/s)
  • SATA2.0 : 3.0Gb/s (= 375MB/s)
  • SATA3.0 : 6.0Gb/s (= 750MB/s)
バージョンをあげるごとに転送速度はあがっており、現在のスタンダードであるSATA3.0は750MB/sの転送速度が上限となっています。
実際は500MB/s程度となります。

【通信方式(プロトコル)】NVMe、AHCI
NVMeはNon-Volatile Memory expressの略です。
Non-Volatile Memoryとは不揮発性メモリのことで、SSDなどのフラッシュメモリを指します。
つまり、NVMeはフラッシュメモリ専用の通信方式という意味です。
PCIeをSSDで存分に活かすためのソフトウェア側の仕組みだと思ってください。

一方のAHCIはAdvanced Host Controller Interfaceの略で、SATAデバイスとの通信規格です。
AHCIは、ハードディスクの特徴に基づいて設計されたソフトウェアであるため、SSDの速度を十分に活かすことができません。


メモリ不足した際のスワップメモリ(仮想メモリ)

PCのメモリが不足してくると、OSはメモリ内の使っていないデータを一時的にHDDやSSDに避難させてメモリの空きを確保します。
このときにHDDやSSDを仮想的なメモリとして扱っているので、仮想メモリもしくはスワップメモリと呼ばれます。
SSDには書き込み回数の上限があるので、常時スワップメモリを使うような使い方はよく有りませんが、たまにスワップメモリとして割り当てられるくらいであれば、寿命にほとんど影響はないと言えるでしょう。

シーケンシャルリードとランダム読み出し/書き込みの速度


シーケンシャルリードとはsequential read、つまり連続したデータの読み出しのことです。
逆にシーケンシャルライトは連続した記憶場所にデータを書き込むことです。
連続した場所にデータを保存するほうが、非連続で断片的な場所にデータを保存していくより速くなります。
そのためスペック表で強調して書かれるのはシーケンシャルリード/ライトの速度になります。

しかし実際の使用では、連続していないところのデータを高速で読む必要があります。
その指標がランダム読み出し/書き出しの速度です。

4KBランダム読み出し:9,000 IOPSなどとの表記をみたことがある方もいらっしゃるかと思います。
IOPSとはInput/Output Per Secondの略で1秒の間で、何回連続した場所に記憶されていない4KBのデータを読み書きできるかの回数を表しています
MB/sへの換算は、
4KB x 9,000/s = 4,000KB x 9/s = 4MB x 9/s = 36MB/s
だと分かります。
,(カンマ)より左側の数字 x 4でMB/sに簡単に換算できます。

ちなみにランダムリード/ライトの速度は、同じTLCやQLCだとしても商品によって30%くらいの速度差は生まれています。

SLC, MLC, TLC, QLC

なんだか難しそうな略語が4つも出てきましたが、非常に簡単です。
S = SIngle 1つ
M = Multi  2つ
T = Triple  3つ
Q = Quad  4つ
LC = Level Cell のデータが1つの箱(セル)に入っている
1つの箱に4つのデータを入れれるほうが、たくさんデータを入れることができます。
1つの箱は同じ大きさなので、4つのデータを入れる場合は、箱が痛みやすくなります。
よって耐久性が落ち、書き換え回数の上限も低くなります。
(お気づきの方も多いと思いますが、Multiは複数という意味なので厳密にはTLCもQLCもMLCの仲間です。)

1つの箱(セル)には、電荷が入ります。
SLCは箱に電荷が入っているか入っていないかだけを判断します。
MLCでは箱に2bitを保存するために、箱に入っている電荷の数が0%か25%か50%か75%か100%かのどれかを判断します。
TLCでは箱に3bitを保存するために、箱に入っている電荷の数が0%、12.5%、25%、37.5%、50%、62.5%、75%、86.5%、100%のどれか判断します。
QLCでは箱に4bitを保存するために、箱に入っている電荷の数が0%、6.25%、12.5%、18.75%、25%、31.25%、37.5%、43.75%、50%、56.25%、62.5%、68.75%、75%、81.25%、87.5%、93.75%、100%のどれか判断します。

耐久性はSLC > MLC > TLC > QLC
書き込み速度 SLC > MLC > TLC > QLC
1GBあたりの価格 QLC > TLC > MLC> SLC

となっています。

CPUが読み書きできるのはメモリなので、一度メモリ上の使っていないデータをストレージに移動させて、メモリの空きを確保させています。

M.2 SSDのヒートシンクについて


SSDは比較的熱を帯びやすい上、高温下で長時間運用するとそれだけ故障率が上がります。
そのため、M.2 SSDのなかには熱を放散させるためのヒートシンクがつけられたモデルがあります。
また、マザーボードにもM.2 SSDのヒートシンクやファンを最初から搭載しているものがあります。

そのため、マザーボード側でM.2 SSD用のファンがつけられているところに、ヒートシンクつきのSSDは物理的に入らないということもあります。
その場合はもったいないですが、ヒートシンクをSSDから取り外す必要があります。
ヒートシンクとSSDは接着剤でくっついていますので、取り外すのは簡単ではありません。
取り外し方は、ドライヤーなどでヒートシンクあたため、接着剤もあたたまるようにします。
しかし温めすぎるとSSDも熱くなりダメージを与えてしまうので、気をつけてください。
そして慎重に外します。

HDDの選び方


HDDは円盤状のプラッタと呼ばれるものに、磁気でデータを読み書きしています。
プラッタを高速で回転(7200rpmなら1分に7200回転)させて、データの読み書きを行っています。
これにより、回転の速度で読み書きの速度が決まってしまいます。
データを保存している場所は非常に小さいので、回転がずれてはいけませんし、回転の速度がずれてもいけません。
そのため、読み書きの速度向上は限定的となっています。

さらに読みたいデータを読む際は、読みたいデータの場所まで磁気ヘッドを動かす必要がある点も欠点です。

また、データの読み書き中(プラッタが高速で回転しているとき)に落としてしまったりすると、
磁気を読み書きする磁気ヘッドがプラッタにぶつかってしまい、データが破損してしまいます。
もちろん、強い衝撃であれば読み書き中でなくともデータを読み出せなくなったりします。
さらに強い磁気を加えるとデータは消えます。(これはいいことでもありますが)

HDDの速度について

SSDの速度の律速(ボトルネック)は、転送速度(PCIe3.0 x4)にある一方でHDDのボトルネックは、回転数にあります。
回転数は5400rpmと7200rpmが一般的です。
5400:7200 = 3:4なので、7200rpmのほうが1.3倍程度速くなっています。

SATA 3.0接続の速いHDDでも転送速度は200MB/s程度です。
なので、たとえSATA 4.0などが作られて、転送速度が6Gbps(750MB/s)から12Gbpsに向上してもHDDの上限速度は変わらず200MB/s程度でしょう。
シーケンシャルリードでは、速いSSDの1/20程度にとどまります。
遅いSSD(500MB/s)の1/3程度という感じです。

ランダムアクセスに関して言えば、HDDは1MB/s以下もざらにあります。
ランダムリードでは0.5MB/sくらい、ランダムライトでは1MB/s程度が平均的です。
SATA接続の遅いSSDのランダムリードは20MB/s、ランダムライトでは90MB/s程度。
NVMe接続の速いSSDのランダムリードは最大で(QD32)2400MB/s、ランダムライトで2000MB/s程度です。
この場合HDDは2000倍くらい遅いということになります。


RAIDについて

HDDはSSDと比べて圧倒的に安いので、大容量の数テラバイトのHDDを複数枚用意して失いたくないデータをバックアップのように複数のHDDに保存することができます。

RAID0では、全くバックアップなどはなく、複数枚のHDDに別々のデータを保存します。

RAID1では、複数台のHDDに全く同じデータを保存します。

その他のRAIDはRAID専用の記事を参照してみてください。
(需要ない気がして面倒になってしまいました、すいません)

自作PC.com では簡単にパーツリストを作れます

PC自作.com では互換性をチェックしながら パーツリストを構成 することができます。

CPUを決めれば、それに対応したマザーボードやCPUクーラーだけから選ぶことができます。マザーボードが決まっていれば、そのフォームファクタ以上のPCケースのみから選ぶことができます。

全体での 推定消費電力を自動で計算 し、その2倍の電源をおすすめします。

もちろん各スペックごとの 絞り込み も同時で行うことや、 検索 も行えます。作成したパーツリストは 複数保存 することができます。パーツリストを誰かと 共有 することもできます。

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