【究極のガイド】CPUの選び方

最終更新日: 2020年03月10日 116 views

CPUの選び方のポイント


現在販売されているCPUはいずれも非常に高性能です。
ネットサーフィンや音楽を聴いたり、動画を見たりするくらいの用途であれば、どの新品で販売されているCPUを購入しても問題ないでしょう。

今や1万円ちょっとで6コア12スレッドのCPUが買える時代です。
逆にどれくらいのスペックのCPUが必要なのか、判断しにくくなっているとも言えます。

「不安だから、とりあえず高いCPUを買っておく」
「将来必要になるかもしれないから高いCPUを買っておく」
こんな方も多いかと思います。

しかし、やみくもにベンチマークのスコアが高いものを選べばよいというわけではありません。
この記事では、自分の用途に適したスペックのCPUの見つけ方をお教えします。

そしてこの記事を読んだ後には、自信をもって必要なスペックのCPUを選べるようになるかと思います。

CPUにグラフィック機能が内蔵されているか

CPUにグラフィック機能が内蔵されている場合、GPUはなしでも映像出力することができます。
逆にグラフィック機能がないCPUの場合必ずGPUが必要になります。

現在の内蔵GPUの最高スペックのものは、AMDのRadeon RX Vega 11で、Ryzen 3 3400Gに内蔵されています。
この内蔵GPUであれば、FF14をフルHDで平均30fpsでプレイできます。
ゲームを軽く楽しむ程度であれば、問題ありません。
RX Vega 11のG3D Markのスコアは2276です。
これは、GeForce GTX 460と同じくらいです。

ただし、これ以上のスペック(2560x1440や4k、60fps以上など)でゲームをしたかったり、動画編集や3D系のソフトウェアを使用する場合は、グラフィックカードを使用する必要があります。


CPUと対応チップセット(マザーボード)


CPUはマザーボードに載せられ、マザーボードに接続されたGPUやメモリなどと通信を行います。
マザーボード側でCPUと他のパーツをどのようにつなぐのかの構成がチップセットです。

上の図の通り、
  • Intel 第8/9世代:Z390, Z370, H370, B365, B360, H310
  • Intel 第10世代:X299
  • AMD 第2/3世代Ryzen:X570, X470, X450
  • AMD 第3世代ThreadRipper:TRX40
が対応チップセットとなっています。

このチップセットによって最大のメモリ容量やPCIeレーン数(拡張性)が決まります。
マザーボード

CPUと最大メモリ容量


マザーボードごとにそもそもメモリスロット数が違いますが、適切なマザーボードを選んだ際に載せられる最大のメモリ容量が上図の通りとなります。
(asrockの最新のx299マザーボードなどは条件付きでLRDIMMメモリに対応しているため、256GB x 8 = 2056GB = 2TBのメモリまで対応できるようですが)

CPUとPCIeレーン最大数


PCIeレーン数の数え方は、どこまでを含めてよいのかで変わりますが、ここではCPUから直接接続できるPCIeレーン数を表記しています。

PCIeレーン数はCPUから直接接続できるものとチップセットから接続するものの2種類あります。

CPUから直接のものではなく、チップセットからのPCIeレーンは直接のものと比べて性能が落ちたり、CPUとチップセットのバス(接続)がボトルネックとなったりします。

PCIeレーンはGPUやSSDとの接続で必要になります。
GPU1枚で8レーンもしくは16レーン使用するので、複数枚のGPUを使用する場合は、PCIeレーン数も考えておくべきでしょう。
また、新しい最高速度のM.2 SSDは4x4 = 16レーン使用するものもあります。


CPUのベンチマーク


CPUの性能を実際に様々な処理を走らせてチェックした結果をベンチマークといいますが、公開されているベンチマークはPassMarkとGeekbenchの2つが有名です。

シングルコア性能とマルチコア性能

CPUのベンチマークでは、常にシングルコアとマルチコアの性能が別々の値として出ています。
CPUの中には計算をする1組の回路があり、これをコアと呼びます。
1つのCPUの中には複数のコアがあり、同時に複数のコアで処理を行うことができます。

シングルコアでの性能とは1つだけのコアを使ったときの性能です。
マルチコアでの性能とはCPUのすべてのコアを並列で使ったときの性能です。

マルチコアでの性能がCPUのトータルでの性能ともいえるでしょう。

シングルコア性能とマルチコア性能どちらが大切か?

マルチコア性能がトータルの性能なら、マルチコア性能だけが大切かと思われるかもしれません。
実はそうではなく、シングルコア性能のほうも同じくらい大切になってきます。

なぜならば、複数のコアを並列で同時に使うシチュエーションと同じくらい、1つのコアで順番に処理を行うシチュエーションも多いからです。

マルチコアを活かすには、それぞれの処理が独立していて、どんな順番で行っても良いという条件が必要です。

コア数を増やすと、シングルコアでの性能が下がってしまう傾向があります。

たとえマルチコアでの並列処理を行うソフトウェアであったとしても、多くの場合はせいぜい8コア程度までしか使用しません。
そのためコア数とシングルコアの性能のバランスを考えるべきです。

ソフトウェア別で分かる重視するべきは、シングルコア性能orマルチコア性能?
一般的にゲームはシングルコアの性能が重要とされています。
ゲームのソフトウェアによりますが、基本的に5コア~8コア程度までしか活かすことができません。

PhotoshopやLightroomも操作時は5~6コアまでしか使っていません。
Lightroomだけは、同じ処理を複数のRAW画像に行うバッチレンダリングの際にマルチコアを活かすことができます。

AfterEffectsはかつてマルチコアを活かしていましたが、現在はシングルコア性能が大いに重要になっています。

3D CGなどにおけるレンダリングはCPUを使う場合、マルチコアのほうが有利になります。
3D系メインであれば、マルチコア性能を重視すべきです。
(近年はGPUレンダリングも増えてきていますが)

動画のエンコードもマルチコアのほうが有利になります。
そのため動画編集後のエンコード作業を速くするためには、マルチコア性能を重視するべきです。

シングルコア性能が高いCPU


現在シングルコア性能が高いとされるCPUは
  • Core i7-9700KF(K)
  • Core i9-9900KS(KF, K)
  • Core i7-8086K
  • Core i7-8700K
  • 第三世代Ryzenすべて
  • 第三世代ThreadRipperすべて
あたりです。

マルチコア性能が高いCPU

  • 第三世代ThreadRipper
  • Core i9-10980XE
  • 第三世代Ryzen
  • Core i9-10940X
  • Core i9-9980XE
あたりでしょう。

CPUの各スペックの意味と見方

CPUのスペック表にはコア数/スレッド数、クロック周波数、TDP、L1、L2、L3などと記載されていますが、それぞれが何を意味して、どのように判断すればよいのか解説します。

コア数とスレッド数の違い


コンシューマ向けに市販されている最近のCPUはほぼ
スレッド数 = コア数x2
になっていますが、実際はどのような違いなのでしょうか?

計算する処理を食べ物、
CPUのコアは口、スレッドは手とイメージしてみてください。
計算処理の速さは、どれだけ速く食べられるかと同じです。

1つの手で食べるよりも2つの手で食べたほうが少し速く食べられる場合が多いかと思います。
片手で食べるよりどれだけ速くなるかは、それぞれの手で食べるものが何かで変わりますよね?


食べるものがすぐに飲み込めるものならば、両手で食べれば、片手で食べるほぼ2倍速で食べれるかもしれません。
一方で、しっかり噛まないと食べられないものなら、両手で食べても少ししか速くならないかもしれません。
左手でハンバーガーで右手にジュースなら、両手で同時に持ちながら食べれますよね。

CPUにとっても同じで、1つ1つの計算が簡単であれば、1つのコアで1つの処理しか行わない場合、余力が残ってしまいます。
そこで1つのコアでも複数の処理を並列で行えるようにしているのがスレッディングです。
また、2つの処理が使用する回路が全く別(整数演算と浮動小数点演算など)である場合、同時に行っても互いに競合しないので、倍速で行えるわけです。(ハンバーガーとジュース)

ここで、スレッド数=コア数x2の理由がなんとなく想像できる方もいらっしゃるかもしれません。
手が4つあっても口が追いつかなければ食べる速さは変わりません。
その絶妙なバランスが手が2つなのです。

ただし、この絶妙なバランスは、一般的なPCの使用方法で求められる計算処理においてだけですので、特殊な計算用に1コアあたり4スレッド以上などの特殊なCPUも販売されています。

だいたいのコアとスレッドのイメージが湧いたところで教科書的なコア数とスレッド数の
コア数は、物理的にCPUの内部にある計算処理用の回路の数です。
スレッド数は、プログラムが処理を投げることができる疑似的なコア数です。

コアのすべてを使わないような簡単な処理であれば、スレッド数の数だけ並列処理することができます。
一方でコアのすべてを使うような重い処理であれば、コア数の数しか並列処理することができません。


クロック周波数

クロック周波数は、CPUの各コアが計算処理のステップを踏むリズムです。
4GHzは1秒間に40億回の振動を意味し、このリズムに沿ってCPUは処理を行います。
このリズムが速いほど計算が速くなります。

しかし高いクロック周波数は、消費電力が高くなり、発熱も増えてしまいます。

そのためクロック周波数が高いCPUほど、冷却に気をつかう必要があり、冷却のために大きなスペースをとるようになります。
(オーバークロックという特殊な競技は、液体窒素を使って冷却することで、高いクロック周波数を実現しています)

コア数とクロック周波数の関係


1コアあたりの性能が同じであれば、CPUのトータルの性能は、コア数xクロック周波数ともいえるわけですが、コア数とクロック周波数はトレードオフの関係にあります。

つまり、コア数を増やすとクロック周波数は下げざるを得ない。
クロック周波数を上げるとコア数は減らさざるを得ない。

なぜかというと、各コアで発生する熱はほとんど同じなので、コア数を増やして、クロック周波数も上げると熱が処理しきれないほど上がるからです。

そのためCPU自体を大きくするという方向性を選んだのがThreadRipperです。
CPUの大型化の問題は歩留まりの低下(失敗作が増える)です。
CPUは複雑な回路が組み合わさっていますが、1か所でも間違っていれば失敗作となります。
大型化するほど、1つも間違えずに製造できる確率は下がるというわけです。

ターボブースト / ターボコアとは

コア数とクロック周波数はトレードオフにあると述べましたが、
1つのコアしか使っていない間なら、クロック周波数を上げても熱暴走は起きなませんよね?
そこで、使用しているコア数に応じてクロック周波数を上げることができるようにした仕組みがターボブーストもしくはターボコアです。
Intelはターボブーストと呼び、AMDはターボコア(Turbo Core)と呼んでいます。

TDP

TDPはThermal Design Powerを略したもので、CPUに取り付けるべきCPUクーラーの放熱能力を表す指標です。

長時間CPUを全力で走らせた場合、実際にCPUから生み出される熱は、TDPの1.4倍程度になります。
CPUクーラーの選び方を参照してください。)

TDPが大きければそれだけ大きなCPUクーラーや大きなラジエーターの簡易水冷が必要になります。
また、TDPはCPUが使用する消費電力の目安にもなります。
TDPが高いCPUには、高電力の電源ユニットが必要になりますし、日々の電気代も高くなります。

1次/2次/3次キャッシュメモリ


1次キャッシュ、2次キャッシュ、3次キャッシュはそれぞれL1、L2、L3とも呼ばれます。
LはLevelの略です。
数字が小さいほど高速ですが、容量が少なくなっています。
通常、L3はL2の8倍の容量で、L2はL1の8倍の容量です。
例えばRyzen 9 3950Xであれば、L1:1MB 、L2:8MB 、L3:64MB です。

このキャッシュメモリは、RAM(メモリ)よりも速いメモリだと考えてください。
これらのL1,L2,L3はそれぞれのコアごとに割り当てられるので、スペック表の値は全コアでの合計値です。
そのため、Ryzen 9 3950Xであれば、16コアなので、1コアあたりではL1: 64Kb, L2: 512KB, L3: 1MBです。

小さな容量のデータはL1で高速に読み書きし、中くらいの容量のデータはL2でそこそこ高速で読み書きし、
大きめの容量のデータはL3で少しゆっくり読み書きする感じです。

システムバス


PCIeレーン数のところで一瞬でてきたバスです。
CPUから直接すべてのGPUやSSDなどと接続できれば良いですが、一部のパーツやUSBなどは、マザーボードのチップセットを介して接続することになります。

その際CPUとマザーボードのチップセットの間の通り道がシステムバスです。
この通り道が太くてたくさんのデータを一度に流せれば、データのやりとりのボトルネックとはなりません。

単位はGT/s = Giga Transfer per secondということで、0.8bit(そんなものはないが)のデータを(1bitを使って)1秒間に何回転送できるかを表しています。
実際に転送できるデータ量は1GT/s = 0.8Gbps程度です。

PCIe 3.0の1レーンあたりの帯域は8GT/sです。
近年のIntelのCPUのシステムバスは8GT/sしかありません。
これはPCIe3.0の1レーンと同じです。
一方のAMDのCPUのシステムバスはRyzenは64GT/s(PCIe4.0x4)、Threadripperは128GT/s (PCIe4.0x8)となっています。
つまりIntelの8~16倍のシステムバスです。

このシステムバスが太いほど周辺機器の拡張性と転送速度の維持が可能になります。

ソケット形状

CPUに対応しているチップセットのマザーボードであれば、ソケット形状も必ず対応しています。
CPUクーラーがソケット形状に対応しているか確認する必要があります。
PC自作.comはパーツリストを作った際に自動でソケット形状が対応しているかチェックしてくれます。

CPUの製品名の命名規則

CPUの名前の規則性が気になるそんな方へ、、、

Intel製CPUの製品名の見方

Core i9-9900K
Core i9-10980XE

ハイフン(-)以降の数字部分の上一桁もしくは二桁の7, 9, 10の部分は世代を表しています。
そのあとの3桁の数字は数字が大きいほど高い性能を示しています。
最後の英文字は
  • Kはオーバークロック対応モデル
  • XやXE, EEはオーバークロック対応の最高性能モデル
  • Fは内蔵GPUがないモデル
  • Hは高性能なノートパソコンモデル
  • Mは普通のノートパソコンモデル
  • Uは省電力なノートパソコンモデル
  • Sは省電力モデル
  • Tは超省電力モデル
を意味しています。

AMD製CPUの命名規則

まずRyzenシリーズとThreadRipperシリーズに分かれます。
Ryzenシリーズでは
Ryzen 9 3900X
などのような名前になっていますが、
はじめの9や7, 5, 3などの数字は数字が高いほどハイエンドを意味しています。
次の四桁の数字の最初の数字(1~3)は世代を表しています。
最後の下三桁は、数字が大きいほど新しく高い性能を示しています。

最後にXやGなどの文字がある場合がありますが、
  • WXは超高性能なデスクトップモデル
  • Xは高性能なデスクトップモデル
  • 無印は普通のデスクトップモデル
  • Gは内蔵GPUがあるデスクトップモデル
  • Hは高性能なノートパソコンモデル
  • Uは普通のノートパソコンモデル
をさしています。

自作PC.com では簡単にパーツリストを作れます

PC自作.com では互換性をチェックしながら パーツリストを構成 することができます。

CPUを決めれば、それに対応したマザーボードやCPUクーラーだけから選ぶことができます。マザーボードが決まっていれば、そのフォームファクタ以上のPCケースのみから選ぶことができます。

全体での 推定消費電力を自動で計算 し、その2倍の電源をおすすめします。

もちろん各スペックごとの 絞り込み も同時で行うことや、 検索 も行えます。作成したパーツリストは 複数保存 することができます。パーツリストを誰かと 共有 することもできます。

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